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SS
恒例(にしたいところ)のSS。
引き続きよくわからないものですが、読んでみる!という方は是非お付き合いください。
今回はシャンエーです。

では、どうぞ。

注意;10thのトレジャーズの3年SEA組のパロ




漸く落着きを見せ始めた麦わら高校。
生徒も帰った放課後、ちらほら他の教師も帰り始めた職員室の中で新任教師はぼやいていた。

「なんなんだ、アイツ・・―!」

校内の問題児たちが大人しくなり始めたのは、職員室でも話題だった。
たった一人の教師が変えたのだ。
俄かには信じがたいこの事実に一番苛立ちを見せていたのは、同じくこの学校へ赴任したばかりのエース。
ここ最近、エースは機嫌が悪かった。

「なーにイライラしてんだ?」

一日の終わりだというのに全く疲れの見えない活き活きとした表情にまた、エースは溜息を漏らす。

「してねェよ」
「そうか?」
「・・してるとしたらアンタが原因」
「なんで?」
「さァ?」

しれっとした表情のエースに、赤髪は首を傾ける。
自分は何かした覚えはない。

「なんだよ、なんもしてないだろ俺?」
「どーだろーねー・・」

カタカタと軽い音を立てて生徒の成績を打ち込むエースの横で、赤髪も同じようにデスクに向かう。
今日は日直だ。
それを示すように日誌が置いてあった。

「これがめんどくさいんだよなー・・」
「あとそれだけじゃん」
「仕事したらさっさと帰りてぇだろうが」
「仕事だろ、それも」

年相応とは思えない返しに、赤髪は怪訝な顔をした。
思えば、いつも自分の方がとやかく言われている。

「――お前さ、いくつだっけ?」
「・・は?」
「俺よりずーっと若いよな?」

そうだけど、と引き気味な答えにまた赤髪は首を傾けた。

「もうちょっとらしいこと言った方がかわいいと思うぞ?」
「らしいことっつっても・・」
「ガキっぽいこと言ってろってことだよ」

背伸びしてどうすんだ、と赤髪は笑った。

「お前くらいの時はな、ガキ共と一緒に遊ぶつもりで授業やってりゃいんだよ」
「アンタみたいになっちまうじゃねェか・・」
「嫌か?」
「・・さァ?」
「教えろよ」
「やだねっ」

エースはそう一言言うと、ふいと顔を背けた。
その口元が微笑んでるのを見て、赤髪はにかりと大きく笑って、エースの帽子を取った。

「な、なにすんだ・・!」

ぽんぽん、と撫でられて。
エースは黙り込んで静かに下を向いた。

「いつも、そういう顔してろよ」

じゃあな、と言って赤髪は校内の戸締りに出かけた。
一人残されたエースはデスクに顔を埋めたまま、暫くぼやいていた。




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