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パラでシャンエーです。二人ともアホです。
内容も息抜き向き、と言ってみたりする。(笑)
大丈夫な方だけどうぞ。
「なァ、夏休みいつ取れそう?」
シャンクスは帰って来るなり、そうエースに問うた。
バイト後、眠い目を擦りながら追われている大量のレポートを捌いていたエースはゆっくりと振り返る。
見た顔は、何かを言いたくて仕方ないといった表情を浮かべている。
エースはカタカタとキーボードを打ちながら、呆れたような口ぶりで言う。
「大学生なんだから、九月までずっと休みに決まってんだろ」
生意気な口調も、シャンクスは気に留めない。
今日は随分と機嫌がいいらしい。いつもなら冗談交じりにその口の利き方を咎められるというのに。
なんだか気味が悪いと、エースはその顔を窺うようにみた。
「なんでそんなこと聞くんだよ」
どうせ今年も消えるんだろう、と。
言った傍からシャンクスは反論する。
「いーや、今年は違う」
去年は、エースがバイトに明け暮れている間に、バカンスという名の逃亡をしたシャンクスだ。
二三日連絡が取れなかった後、やっと携帯が繋がった先は海外だったのだ。
当然笑って許せるわけがない。暫くは絶縁したかのように、過ごした。
そして、気が付いた頃にはエースの夏休みは終わってしまっていた。
「違うもんか、どうせ今年もトンズラすんだろうが」
「お前まだ根に持ってんのか?アレは違うって言ったじゃねェかよ」
シャンクスの言い分はこうだった。
バイトに明け暮れていたエースに構ってもらえずに拗ねていたところに、夏が明けたら一緒に住もうという提案さえも一蹴されてしまった。自分の気持ちはどうなるのか、と。そう思っていたら海外へ飛んでいたという。
「――そんな言い訳が通ると思ってんのか!ほんと、アホだなアンタ!」
「いいだろ一年も前のこと!ぐちぐち姑みたいに言いやがって」
「あっ、開き直りか?大人気ない」
「ク、クソガキめ‥‥」
「アレ、そのガキにムキになってんのは誰だよ?」
そこまで言うと、既にエースの顔は勝ち誇ったものになっていた。
対してシャンクスは、口を拗ねたように尖らせて、押し黙る。
暫く無言の攻防があった後、シャンクスはふらり覇気なく立ち上がって、もう寝ると小さく呟いた。
去年の事件をきっかけに一緒に暮らすようになった二人の寝室へと、その足は向く。
「もういい‥‥」
いつになくテンションが低い。というよりも、低すぎて若干気味が悪い。
その力ない背中を見詰めて、エースは言い過ぎてしまったと、後悔した。
いくら前科があるとはいえ、心を入れ替えたシャンクスは、きっと共に過ごす夏を楽しみにしていたに違いない。
レポートに追われている苛立ちを、知らず知らずシャンクスに向けてしまっていたのだ。
エースは先程の自分の態度を省みて、そっとシャンクスに優しいまなざしを向けた。
「シャンクス‥‥悪ィ、言い過ぎた」
うな垂れていたシャンクスも、その言葉に立ち止まった。
安堵したエースがおもむろに近付くと、その肩が震えている。
ハッとしたエースは、思わず、その肩に触れる。
「え、シャンクス‥‥泣いてんのか?」
しかし、涙が肩を震わせているのではなかった。
途端、シャンクスは高笑いを始める。
「ばーかっ、引っ掛かりやがったな!誰が泣くか!」
一瞬時に置いていかれたような顔をしているエースにも構わず、シャンクスは続けた。
その間も、豪快な笑いは絶えることなく、部屋に響き渡る。
ハタチのガキがなんやかんやと一通りエースを揶揄した後、シャンクスはわざとらしく、間延びをした。
「あーあ、せっかく旅行連れてってやろうと思ってたのに、その態度じゃナシだなァ」
そう吐いて、シャンクスは促すようにエースの肩に手を乗せた。
悪戯好きの子供のような顔で、もう一度謝れば許してやるぞと言って来る。
ふざけが過ぎるシャンクスにほとほと呆れながらも、エースは決して謝るものか、と。
そう固く決心して、目の前で揺れる赤髪を笑って叩いた。
二人ともアホですよー。というかガキです。(笑)
ザ・息抜きといった内容でスミマセン。