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今回はスモエー。
なんとなーく、甘い感じが変です。(笑)
片方が浴衣で来て、相手もまた浴衣ならいいと思うくらいのものだと知っていても、思わず笑みが零れた。
二人で浴衣を着ると話し合わせる程初々しい関係でもない二人が、これから浴衣で並んで歩くのだ。
互いに懐かしい物に身を纏って、雑踏のなかに入ってゆく。
今まさに待ち合わせ場所から離れるといったところ、エースは傍らにある袖口を掴んで走り始めた。
「ホラ、あそこ・・!」
ずらりと並んだ屋台の一角、懐かしいものがある。
「やろうぜ」
やけに威勢のいい主人に幾らか渡し、手に取る。
射的の腕には自信があった。
「昔弟とよくやったんだ」
パンと軽い音と共に、菓子の箱が落ちる。
満足げで、誇らしげなエースにスモーカーは嘲るように笑った。
「上手いもんだな」
「一応毎回弟に負けねェようにがんばってたからな、これくらいはわけねェさ」
アンタもやる?
と差し出すと、興味深げに手が伸びた。
「ここをひけばいいのか?」
「そう、てかアンタ毎日拳銃持ってんのにその質問はねェだろ」
「実際撃つことなんてねぇんでな」
パン、と。聞こえた瞬間に狙ったぬいぐるみは落ちた。
「・・やるじゃん」
「一応は、な」
「まぁ実際の事件で外したら問題だもんな」
「あぁ、間違いなく新聞沙汰だ」
いくつか落とした景品を手に、次へ行こうとまた、エースが袖を引く。
浴衣から見える長い手に、互いが微笑んだ。
「どうするか・・さすがにこの年になってクマのぬいぐるみはいらねぇなァ・・」
「弟にでもやればいい」
「アンタ弟が何歳だと思ってるの?もう17だぜ?」
「お前の弟なら17でも喜びそうじゃねぇか」
「冗談、そこまで流石にガキじゃねぇよ――あ!」
今度は一目散に、りんご飴の店に飛びつく。
その姿をみれば、やっぱり17にもなる弟でもぬいぐるみに喜ぶんではないかとスモーカーは嘆息しながらほくそ笑んだ。
何してんだよ、早く来いって――
そう手招きをする男も、まるで周りの子供とそう変わらない年に見える。
思わず笑みを堪えられずに――
「――あれ?」
スモーカーが居ないと気付き、受け取ったばかりのりんご飴の存在さえ忘れて周りを見渡す。
以外にもそばに居たその男は、小さな女の子に―さっき取ったばかりの―クマを渡していた。
「ったく、やってくれるよな・・」
小さな女の子が嬉しそうにクマを抱き締める様を上から眺めるスモーカーを、エースも眺める。
口元の緩んだその顔が、何より大事にしたいものだった。
女の子が走り去っていくのを見届けてから、エースも走り寄る。
「スモーカーっ・・!」
渡された赤いものはスモーカーにとって初めて口にするものだったが、賑わう祭の中でもすっと染みるような甘さだった。
これもまた新しい経験だと笑ったスモーカーの隣で、エースは二個目のりんご飴を頬張る。
バン、と上がった花火に皆が気を取られている隙に、そっとスモーカーがキスをくれた。
同じ味がすると気付いたのは、お互い。
そして、一発目の花火が上がり終わった後に掌と掌が繋がっているのに驚いたのは、エースだけだった。
なーんかスモーカーが変。(笑)
他より短かったので上げませんでした。
またもやモエ要素ないんですが、こんなんもいいかなと思って(甘んじて)来ました。
いろいろ気合入れなおします・・。