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バレンタインSS。
以前SSで書いた教師×教師スモエーです。
若干いつもに増してアホくさく、スモーカーが変です。(笑)
以前SSで書いた教師×教師スモエーです。
若干いつもに増してアホくさく、スモーカーが変です。(笑)
その日は朝から皆浮き足立って、授業にも身が入らないようだった。
休み時間になれば色んなところで、チョコの受け渡しが行われている。
無論それは教師も例外ではなく、職員室に逃げるように入って来たエースの手には、たくさんの、丁寧に包装された小箱が抱き込まれていた。
「ったくアイツら‥‥!」
ドサ、と隣のデスクで音がする。
休み時間の度にそれが繰り返されるお陰で、既にスモーカーのデスクにまで、エース宛のチョコは溢れている。
それを見かねたたしぎが、比較的大きなサイズの紙袋を渡したが、朝からのチョコを入れるとそれは思いの外
膨らみ、放課後にきっと渡されるだろう分を考えれば、幾分小さくも思えた。
「ご苦労様、だな」
横目で冷ややかに笑うと、エースは本当に困った顔で嘆息した。
こんなに来ると、さすがに素直に喜べないらしい。
エースはスモーカーのデスクを侵食していたチョコを取り去ると、近付いて小さく呟いた。
「放課後は、逃げてもいいよな?」
「チョコからか?」
「だって、このまま行ったら、俺は三日間チョコを食い続ける運命だぜ?」
「‥自分を恨むんだな、ヘラヘラしていたからこうなるんだ」
「‥アンタ、人事だと思って‥」
「人事だろう」
そう言うとエースは少し、腑に落ちない様子で、椅子によりダラリと腰掛ける。
頭を抱えて、もうチョコは散々だ、と。
横で嘆くエースに、スモーカーは笑った。
「こういう時に、教師の威厳が必要になるわけだ」
「‥どうせ俺は威厳なんて持ち合わせてねェよ」
拗ねた様子のエースが、口を尖らせて言う。
ついにはキィキィと鳴る椅子の上で胡坐を掻いてどうしたもんかと悩みだす始末だ。
その横で、スモーカーは何か企んでいるといった顔で、エースに耳打ちした。
「適度な威厳というものを、教えてやらねぇこともねぇぞ?」
「本当か?」
「まぁ、お前次第だがな」
「・・いいぜ、受けて立つ」
意を汲んだエースがすっと胸のポケットから自宅の鍵を取り出して、周りから隠すように相手のデスクの上を滑らせる。
それを手ごと無遠慮に握ったスモーカーに、予想していなかったエースは一瞬赤面して、そして諦めたように深く溜息を漏らした。
相手の掌が熱くて敵わない。
「時々・・、アンタが年上だってこと忘れるよ」
「それはよかったじゃねぇか」
「・・あぁ、それが俺には丁度いいってことだろうな」
呆れて言った言葉をかわされて、最早溜息しか出ない。
一体、この厳顔の何処にこんな側面があるのだろう。
子供のような一面に、自然と笑みが零れた。
「・・、チョコでも食うか」
いよいよ気恥ずかしくなって掴まれた手を振りほどくと、スモーカーも一転何もなかったように仕事を始めた。
その切り替えの良さに対抗心に似た気持ちが沸いて、エースは傍らで、わざとらしくバレンタインの包みを開く。
途端、隣で予想した通りの空気が流れて、此方が馬鹿馬鹿しくなるような態度に笑いは堪えきれない。
エースはここまで分かりやすい人間もいないのではないかと、内心、思いながら。
「アンタのそういうとこ、好きだぜ?」
威厳のある子供、に笑い掛けて。
三日分はあるだろうチョコの山に、少しだけ、感謝した。
休み時間になれば色んなところで、チョコの受け渡しが行われている。
無論それは教師も例外ではなく、職員室に逃げるように入って来たエースの手には、たくさんの、丁寧に包装された小箱が抱き込まれていた。
「ったくアイツら‥‥!」
ドサ、と隣のデスクで音がする。
休み時間の度にそれが繰り返されるお陰で、既にスモーカーのデスクにまで、エース宛のチョコは溢れている。
それを見かねたたしぎが、比較的大きなサイズの紙袋を渡したが、朝からのチョコを入れるとそれは思いの外
膨らみ、放課後にきっと渡されるだろう分を考えれば、幾分小さくも思えた。
「ご苦労様、だな」
横目で冷ややかに笑うと、エースは本当に困った顔で嘆息した。
こんなに来ると、さすがに素直に喜べないらしい。
エースはスモーカーのデスクを侵食していたチョコを取り去ると、近付いて小さく呟いた。
「放課後は、逃げてもいいよな?」
「チョコからか?」
「だって、このまま行ったら、俺は三日間チョコを食い続ける運命だぜ?」
「‥自分を恨むんだな、ヘラヘラしていたからこうなるんだ」
「‥アンタ、人事だと思って‥」
「人事だろう」
そう言うとエースは少し、腑に落ちない様子で、椅子によりダラリと腰掛ける。
頭を抱えて、もうチョコは散々だ、と。
横で嘆くエースに、スモーカーは笑った。
「こういう時に、教師の威厳が必要になるわけだ」
「‥どうせ俺は威厳なんて持ち合わせてねェよ」
拗ねた様子のエースが、口を尖らせて言う。
ついにはキィキィと鳴る椅子の上で胡坐を掻いてどうしたもんかと悩みだす始末だ。
その横で、スモーカーは何か企んでいるといった顔で、エースに耳打ちした。
「適度な威厳というものを、教えてやらねぇこともねぇぞ?」
「本当か?」
「まぁ、お前次第だがな」
「・・いいぜ、受けて立つ」
意を汲んだエースがすっと胸のポケットから自宅の鍵を取り出して、周りから隠すように相手のデスクの上を滑らせる。
それを手ごと無遠慮に握ったスモーカーに、予想していなかったエースは一瞬赤面して、そして諦めたように深く溜息を漏らした。
相手の掌が熱くて敵わない。
「時々・・、アンタが年上だってこと忘れるよ」
「それはよかったじゃねぇか」
「・・あぁ、それが俺には丁度いいってことだろうな」
呆れて言った言葉をかわされて、最早溜息しか出ない。
一体、この厳顔の何処にこんな側面があるのだろう。
子供のような一面に、自然と笑みが零れた。
「・・、チョコでも食うか」
いよいよ気恥ずかしくなって掴まれた手を振りほどくと、スモーカーも一転何もなかったように仕事を始めた。
その切り替えの良さに対抗心に似た気持ちが沸いて、エースは傍らで、わざとらしくバレンタインの包みを開く。
途端、隣で予想した通りの空気が流れて、此方が馬鹿馬鹿しくなるような態度に笑いは堪えきれない。
エースはここまで分かりやすい人間もいないのではないかと、内心、思いながら。
「アンタのそういうとこ、好きだぜ?」
威厳のある子供、に笑い掛けて。
三日分はあるだろうチョコの山に、少しだけ、感謝した。
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